21世紀型スキル

21世紀型スキルとは変化の激しいグローバル社会を生き抜くために、子供たちに将来必要とされる能力です。今までの学校教育のように知識を覚えたり、与えられた課題を解いたりするだけでなく、これからの社会を生き抜くためには自分で問題を見つけ、情報を活用したり他人とコラボレーションしたりしながら、答えのない問題を解決していく力が大切だといわれるようになりました。この価値観はプログラミング教育との親和性が高く、将来プログラマーにならなくてもプログラミングを学ぶこと自体に意味があるととらえられるようになってきています。

世界では、公教育においてプログラム教育を導入する国が増え、日本の学校教育でも徐々にプログラミングが取り入れられるようになっています。こうした中で「専門的な」イメージが強かったプログラミングが、子供たちが将来生きていくために「必要な教養」へと認識が変わってきました。

プログラムを学ぶ6の理由

①楽しい
　スマホやタブレットでゲームをしたり、好きなアニメを見る”楽しさ”とは異なり、絵をかいたり粘土遊びをして自分が想像したものを、何らかのツールを使って表現する楽しさを得られます。さらに言うと、絵や粘土に物理的制約があるのに対して、プログラミングはコンピューターが一台あれば、物理的な制約を受けずにイメージを表現できます。「自分の予想を超えた面白いもの、複雑なものを作れる」という楽しさを味わえます。

②問題解決能力を養う
　プログラミングでは、誰かから与えられたテーマではなく、自分の作りたいものを作るプロセスの中で、問題解決型の課題に挑むことができます。子どもたちは自分で課題を解決するために試行錯誤、意思決定することが求められ、間違っていた時やうまくいかないときは、一歩手前に戻ってプロセスを見直します。プログラミング学習は、どんな作品を作ったとしても、PDCAサイクル（計画⇒実行⇒評価⇒改善）の繰り返しです。これは将来、どんな仕事に就いても必要な手法となります。

③論理的思考力を養う
プログラミングで物語を作るとしましょう。単純に思える物語でも、それをコンピューター上に表現するとなると、「人物と背景」「場面の分割」など、物事を整理して構造的にとらえる必要があります。子どもたちにとって身近な物語やゲームをコンピューターで表現することを通して論理的思考力が育ちます。さらには、作品を発表したり交流する場面では、自分の作品を人に説明したり、相手からのコメントを新しい作品に取り入れたりすることを通して、全体の構造を考え直すことにより論理的思考力が磨かれます。

④将来の可能性を広げる
　アメリカデューク大学研究者キャシー・デビットソン氏の言葉。「今の子供たちの65%は大学卒業時には、現在存在しない仕事に就くだろう」今後ますますITが社会を変えていくことを物語っています。こうした先が見えない社会において、どんな仕事にも役立つと考えられるプログラミングを学べば、子供たちの”できること”や”選択肢”を増やすことにつながるといえるでしょう。

⑤自分に自信を持てる
プログラミングは「作りたい」から「できた！」までのプロセスが短いといえます。完成までのプロセスがとても早いので自己肯定感を得やすいツールです。また、プログラミングを学ぶ場は、年齢、学校、地域、スキル、成績、目指す進路など、様々なバックグラウンドを持つ子供たちが一つの空間に集まって学ぶことが可能です。多様な仲間とのかかわりが、子供たちの自信につながり、さらに自由な発想を広げていきます。

⑥創造力を広げる
　創造とはもともと「新しいモノを初めて作る」ことを意味しています。プログラミング学習ではゲームやアプリなど、デジタルなモノ作りを通して創造力を養い、広げます。